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🐉精霊(4)
vritra

ヴリトラ(サンスクリット語Vṛtra)はヴェーダ・インド神話における最強の悪龍(アスラ)であり、現存する文献における印欧比較神話学のカオスカンプ(嵐神対多頭蛇)モチーフの最古の典籍例である。サンスクリット名はそのまま動詞語根『vṛ』(『覆う、囲む』)に由来し、『包囲する者、せき止める者』を意味する。形態は巨大な脚なし蛇(ahi、『蛇』)、あるいはとぐろを巻く山として描かれる。本来の役割は旱魃の化身であり、インド亜大陸の七大河(サプタ・シンドゥ、Sapta Sindhu)を自身の体で堰き止めて人類に渇きと死をもたらす。九十九の同心要塞(pura)に囲まれた居所に住む。雷神インドラの永遠の宿敵で、ヴェーダ神話最大の戦闘『リグ・ヴェーダ』第一巻三二歌『インドラ・ヴリトラ・ユッダ(Indra-Vṛtra-yuddha)』 — 十五詩節 — に最も詳細に記される。インドラは神々の鍛冶神トヴァシュトリ(Tvaṣṭṛ)から授かったヴァジュラ(vajra、『金剛杵』『雷』)で九十九の要塞を破り、ヴリトラの頭を断ち斬る。ヴリトラの体内に閉じこめられていた七つの大河が流れ出し、インド亜大陸を潤して人類文明が始まったとされる。後代のヒンドゥー教 — 紀元一-四世紀の『マハーバーラタ』ウディヨーガ・パルヴァ、八-十世紀の『バーガヴァタ・プラーナ』 — ではヴリトラはトヴァシュトリの息子ヴィシュヴァルーパ(Viśvarūpa)の弟と再定義され、本来はインドラの友であったが神々の謀略によって殺害された悲劇的人物として描かれる。

chinese-long

中国の龍(long)は東アジア龍神話の原型かつ最も象徴的な神性であり、新石器時代後期にまで遡る。一九七一年、内モンゴル自治区翁牛特旗で出土した紅山文化のC字玉龍(紀元前三千五百-三千年頃、現在は中国国家博物館所蔵の国家一級文物)と、一九八七年に発掘された河南省濮陽西水坡遺跡の貝殻モザイク龍(紀元前五三〇〇年頃、仰韶文化)が考古学的原型である。文献面では、後漢の許慎『説文解字(一〇〇年)』が龍を『鱗蟲之長(鱗動物の長)』と定義し、王符『潜夫論(一世紀末)』が鹿の角、駱駝の頭、兎の目、蛇の首、蜃(おおはまぐり)の腹、鯉の鱗、鷹の爪、虎の足の裏という『九似相』を初めて体系化した。明代李時珍『本草綱目(一五七八)』もこれを総合する。皇帝の足指は五本、親王は四本、庶民は三本以下と階層が定められ、明洪武帝の一三九三年の儀礼勅令で確立された。東の青龍、南の朱龍、西の白龍、北の玄龍、中央の黄龍という五方色の体系で宇宙秩序を象徴し、口に咥える如意珠(yeouiju相当の中国語『如意珠』)は知恵・権力・月の象徴。飛翔は雲と暴風雨を伴い、雨を呼ぶ水神として漢代以後の皇室祈雨儀礼と民間龍王廟信仰の中核となった。十二支唯一の架空動物で、辰年は皇帝の干支とされる。

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青龍(セイリュウ、Azure Dragon)は東アジアの四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)のうち東方を守護する神聖な竜であり、東方・春・木(モク)行・青色を司る天上の星宿、風水地理と占星術の中核的神性である。四神体系 — 東方青龍、西方白虎、南方朱雀、北方玄武 — は漢代中国、特に紀元前一三九年頃の劉安編『淮南子』天文訓と後漢王充『論衡(八〇年頃)』物勢篇によって確立され、二十八宿のうち東方七宿(角・亢・氐・房・心・尾・箕)を統合した天文図像である。一般の中国黄龍と異なり、より細く長い蛇形の躯に青緑色の鱗、鹿の枝分かれの角、鯉の鱗が決定的特徴であり、道教風水の『東方の青龍が左から都市を守る』左青龍原理の視覚正典である。図像は朝鮮高句麗の江西大墓(平安南道江西郡、六世紀後半)・江西中墓の四神図東壁壁画、日本飛鳥時代のキトラ古墳(奈良県明日香村、七世紀末-八世紀初)壁画に最もよく保存されており、後者は一九九八年に日本国宝に指定された。朝鮮大統領官邸の青瓦台(一九三九年朝鮮総督官邸として建築、一九四八年大統領官邸として使用開始)と明朝紫禁城東門(東華門、一四二〇年永楽帝遷都時竣工)の守護神でもあり、武侠小説・ゲーム等東洋ファンタジーで最も頻出する四神である。

🐉種族(2)
🐉神・魔(5)
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