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モンゴル騎兵の複合弓
モンゴル弓は中央アジアの遊牧民が発達させた複合リカーブ弓で、モンゴル帝国の世界征服を支えた中核の武器である。長さ約100~120cmと比較的小さいが、木の芯に角と腱を幾重にも貼った複合構造のおかげで、西洋の長弓に匹敵する威力を出す。最大射程300m以上、有効射程約150~200mで、何より馬上で前後左右どの方向にも射られる点が決定的だった。親指に輪をはめて弦を引く『モンゴル式の射法』で馬を走らせながら素早く連射し、逃げるふりをして振り向きざまに後ろへ射る『パルティアン・ショット』で追ってくる敵を崩した。
イングランド弓兵の象徴的武器
ロングボウは中世イングランドを代表する長弓で、一本のイチイ(yew)を丸ごと削って作る約180cmの大きな弓である。張力80~150ポンド(約36~68kg)の強い力で矢を放ち、熟練した射手は毎分10~12発という驚くべき速度を誇る。有効射程は約200m、最大350mに及び、ボドキンの鏃を用いれば鎖帷子を貫いた。この弓の真の威力は一人ではなく、数百人が一斉に射て空を覆う『矢の嵐(アロー・ストーム)』にあった。百年戦争でイングランドの長弓兵は、この集中射撃で数的に優勢なフランスの騎士軍を繰り返し打ち破った。
戦争用の強弓
ウォーボウは中世イングランドの軍用長弓のなかでも、とりわけ張力の高い(150ポンド、約68kg以上)重戦闘用の弓である。弓を一本のイチイ(yew)の丸太から削り出す単体弓(セルフボウ)で、普通の長弓よりも厚く強く作られる。鎧を貫くよう細く尖ったボドキンの鏃を用いれば、鎖帷子はもちろん、近い距離では比較的薄い板金まで貫けた。この途方もない張力を扱うには、射手は幼少のころから数年にわたり鍛えねばならず、その生涯の鍛錬の結果、射手の遺骨には脊柱の湾曲、左腕の骨の肥大、肩や指の関節の変形といった明らかな痕跡が残る。
両端が外側に反った複合弓
リカーブ・ボウは、弦を外したとき弓の両端(リム)が射手と反対の方向へ反っている形の弓である。この逆向きの曲線は、弦を引くときリムの先端まで力を蓄えさせ、同じ長さの真っ直ぐな単体弓(直弓)より多くのエネルギーを蓄え、より強い矢を放つ。おかげで弓を短く作りながら威力を保てるため、長さ約100~150cmと馬上で扱うのに適する。歴史上もっとも優れたリカーブ弓は、角・木・腱を膠で貼り合わせた複合弓であり、朝鮮の角弓(カッキュン)がその代表格である。今日のオリンピック競技で用いられる弓も、まさにこのリカーブ形式である。