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リカーブボウ

両端が外側に反った複合弓

リカーブ・ボウは、弦を外したとき弓の両端(リム)が射手と反対の方向へ反っている形の弓である。この逆向きの曲線は、弦を引くときリムの先端まで力を蓄えさせ、同じ長さの真っ直ぐな単体弓(直弓)より多くのエネルギーを蓄え、より強い矢を放つ。おかげで弓を短く作りながら威力を保てるため、長さ約100~150cmと馬上で扱うのに適する。歴史上もっとも優れたリカーブ弓は、角・木・腱を膠で貼り合わせた複合弓であり、朝鮮の角弓(カッキュン)がその代表格である。今日のオリンピック競技で用いられる弓も、まさにこのリカーブ形式である。

起源

複合リカーブ弓は紀元前三千年紀ごろ、中央アジアの草原の遊牧民から生まれたと推定される。真っ直ぐな弓は短ければ弱く、強くするには長くせねばならなかったが、リムを後ろへ反らせ角・木・腱を重ねて貼ると、短くとも強い弓が可能になり、これが馬上で弓を射る騎射の土台となった。スキタイ・フン・モンゴル・突厥・マジャールといった草原の騎馬民族が、この弓を先頭に数千年にわたり戦場を駆けた。朝鮮では三国時代以来の弓文化が、水牛の角・竹・牛の腱を接合した角弓として完成し、朝鮮王朝では武科の中心科目となった。

特徴

  • リム(弓の端)が射手と反対方向へ反った構造
  • 同じ長さの直弓より多くのエネルギーを蓄える
  • 騎射に適した短い大きさ(約100~150cm)
  • 角・木・腱を膠で貼り合わせた複合弓構造
  • 朝鮮の角弓 — 世界で指折りの複合リカーブ弓
  • 現代オリンピック競技の公式装備

物語

リカーブ弓の核心は、短い弓に大きな力を込めることにあった。弦を引くと後ろへ反っていたリムが伸び、先端まで力を蓄え、放つ瞬間そのエネルギーを矢に注いで、同じ大きさの直弓を上回る威力を出した。何よりこの短く強い弓は馬上で自在に扱えたため、草原の騎馬弓手は全速力で駆けながら矢を浴びせ、逃げるふりをして振り向きざまに後ろへ射る『パルティアン・ショット』で敵を翻弄した。徒歩でも朝鮮の伝統弓術のように的・戦闘の双方に広く用いられ、今日ではオリンピックをはじめとする的弓の公式の弓として用いられる。

弱点

複合リカーブ弓の弱点は、作ることと保つことにある。角・木・腱を膠で貼り固めるのにふつう数か月、長ければ一、二年かかり、一張りを仕上げるまで手間が多い。また動物性の膠と腱は湿気を吸うと接着層が浮いたり分離したりして威力が落ちるため、雨の多い気候では扱いにくい。このため複合弓は乾いた草原・中東で栄えた一方、湿ったイングランドなどでは一本の木を削った単体弓(ロングボウ)が好まれた。単体の木弓に比べ、維持・手入れにずっと手がかかるわけである。

文化的・歴史的意義

リカーブ複合弓は、草原の騎馬文明の力を象徴する武器である。短く強いこの弓があったからこそ、スキタイからモンゴル帝国に至る騎馬民族は、農耕帝国を脅かす軍事的優位を享受できた。朝鮮では弓は単なる武器を超え、文化の一つの柱だった — 角弓と伝統弓術(国弓)は朝鮮の武科の必須科目であり士人の修養の徳目でもあって、その伝統は今日、韓国がオリンピック競技の強国として君臨する背景へとつながる。オスマン・トルコでは弓射が武芸であり宗教的修養とも見なされ、イスタンブールのオク・メイダヌ(弓場)では遠距離射の記録が石碑で讃えられた。

ポップカルチャーでの登場

リカーブ弓は騎馬民族・古代の戦争を扱う作品に欠かせない武器である。モンゴルや匈奴のような草原帝国を描く映画や、『エイジ・オブ・エンパイア』『トータルウォー』のような戦略ゲームで騎馬弓手の主武器として登場し、逃げながら後ろへ射るパルティアン・ショットがしばしば描かれる。ファンタジーやアクションゲームでは、身軽な弓手キャラクターの弓としてよく描かれる。また現実のオリンピック競技の中継やスポーツ作品を通じて、照準器と安定器を付けた現代式リカーブ弓の姿としても広く知られている。

豆知識

  • リカーブ構造は短い弓にはるかに長い直弓ほどのエネルギーを込めさせ、まさにこの点ゆえに馬上で強い弓を射ることができ、スキタイからモンゴルまで騎射が戦場を支配しえた。
  • 角・木・腱を貼って作る複合リカーブ弓は、動物性の膠と腱が湿気を吸うと接着層が分離するため、乾いた草原・中東で栄えた一方、湿ったイングランドなどでは一本の木の単体弓(ロングボウ)が好まれた。
  • 現代オリンピック競技の公式の弓はリカーブ形式であり、水牛の角の角弓の伝統を継ぐ韓国は、オリンピックの弓射で長く世界の頂点を保ってきた。