ラミア
ラミア · 蛇下半身の女怪物 — ギリシャ神話の誘惑者
ギリシア神話に現れる怪物で、上半身は美しい女性、下半身は巨大な蛇の姿をしている。本来はリビアの美しい女王にしてゼウスの愛人であったが、ヘラの嫉妬により子を全て失った悲しみと怒りから怪物に変じたという悲劇的神話が原典である(ディオドロス・シケリオテス『歴史叢書』二〇・四一、紀元前一世紀)。以後、他の母の子を妬み憎み、夜に幼児を攫って喰らう存在となり、ヘラの呪いにより片方の目が永遠に閉じない不眠を背負う(プルタルコス『好奇心について』二)。フィロストラトス『ティアナのアポロニオス伝』四・二五(西暦三世紀)の青年メニッポスを誘惑するラミア譚が後代の典型的変奏となり、ジョン・キーツの詩『ラミア』(一八一九年)で人間の青年を愛しながら最後に正体を暴かれて消える悲劇の美女として再解釈された。