板金鎧
中世ヨーロッパ騎士の全身板金甲冑
プレートアーマー(板金鎧)は、十五世紀に全盛を迎えた欧州の騎士の全身鎧で、頭から足まで鋼の板で包む。厚さ一から二ミリの鋼板を体の曲線に合わせて打ち出し、鋲や蝶番、内側の革帯で繋いで全身を覆い、滑らかに湾曲した表面が打ち下ろす刃を滑らせて逸らす。総重量は二十から三十キロに及ぶが、重さが全身に均等に分かれるため、熟練の騎士は鎧を着たまま走り、馬に乗り、転がることさえできた。ただし脇や股のように板の届かぬ隙間は鎖帷子で埋め、内には衝撃を吸収する刺し縫いの下着(アーミングダブレット)を着て、はじめて完成する一つの体系であった。イタリアのミラノ式とドイツのゴシック式が二大様式として名を馳せ、誂え仕立てが基本で、一領を揃えるのに莫大な費用と数か月を要した。