スリング
石を投擲する原始的投射武器
スリングは、革や布で作った小さな袋に石や鉛の弾を入れ、遠心力で投げる古代の投射武器である。袋の両端に二本の紐を付け、頭上や横でぐるぐる回し、片方の紐を放す瞬間に弾がすさまじい速度で飛び出す。構造はこの上なく単純で材料費がほとんどかからないが、熟練した投石兵が放つ石は頭蓋骨を砕くほどの速度を出した。とりわけバレアレス諸島(今日のスペイン領マヨルカ・メノルカ)の投石兵は古代世界最高の精鋭投石部隊で、カルタゴやローマの軍に傭兵として活躍した。旧約聖書でダビデが巨人ゴリアテを倒した武器としても広く知られ、鉛の弾(グランデス)を使えば射程と威力が大きく増した。