アーバレスト
鋼鉄の弩弓
アルバレストは中世後期の重クロスボウ(弩)で、木と角の複合材に代えて鋼鉄の弓部(プロッド)を用い、当代随一の貫通力を誇った。鋼鉄弓部の張力は数百kgに達し、素手では引けないため、ウィンドラス(滑車装置)やクランカン(歯車装置)で機械的に弦を引く必要があった。有効射程約200m以上で板金鎧すら貫いたが、装填に時間がかかり発射速度は毎分1〜2発にすぎない。この遅さを補うため、大盾(パヴィス)を持つ盾持ち兵と組み、その盾の陰で装填しながら運用するのが常だった。短いボルト(クォレル、約30〜40cm)を放ち、扱いに長い訓練を要さないため、徴集兵でも短期間で戦力化できた。