シャムシール
ペルシアの曲線形騎兵刀
シャムシールはペルシアで発展した深く湾曲した片刃の騎兵刀で、刀身の長さはおよそ80~90cmに及ぶ。最大の特徴は柄から切先まで一貫して反る極端な曲線であり、この曲線によって馬上で全速力で駆けながら敵をすれ違いざまに斬る『引き斬り』が可能になる。刀身はしばしばウーツ鋼(西洋で『ダマスカス鋼』と呼ばれた坩堝鋼)で鍛えられ、波紋状の美しい表面模様を帯び、軽く均衡がよいため素早い連続斬撃に適する。切先は丸いか鈍く突きにはほとんど用いられず、柄は先が折れた拳銃形で象牙・角・金属の装飾を施すことが多い。16~19世紀、サファヴィー朝以降のペルシアを代表する武器であり、オスマン帝国やムガル朝インド、中央アジア全域へ広まった。