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ペルシアの曲線形騎兵刀
シャムシールはペルシアで発展した深く湾曲した片刃の騎兵刀で、刀身の長さはおよそ80~90cmに及ぶ。最大の特徴は柄から切先まで一貫して反る極端な曲線であり、この曲線によって馬上で全速力で駆けながら敵をすれ違いざまに斬る『引き斬り』が可能になる。刀身はしばしばウーツ鋼(西洋で『ダマスカス鋼』と呼ばれた坩堝鋼)で鍛えられ、波紋状の美しい表面模様を帯び、軽く均衡がよいため素早い連続斬撃に適する。切先は丸いか鈍く突きにはほとんど用いられず、柄は先が折れた拳銃形で象牙・角・金属の装飾を施すことが多い。16~19世紀、サファヴィー朝以降のペルシアを代表する武器であり、オスマン帝国やムガル朝インド、中央アジア全域へ広まった。
暗殺者 · Assassin — 一撃で全てを終わらせる死の専門家
標的を静かに、確実に排除することに特化した職業。ローグの隠密技術に殺傷技術・毒・麻酔剤・特殊武器を加えた専門暗殺職。政治的な道具かつ必要悪として全ての世界に存在する。
占術師 · 神託者 — 未来を見る者の重い瞳
占術によって未来・過去・現在の出来事を予知する職業。星座・タロット・水晶球・骨・内臓・夢など様々な媒介を通じて予言を受け取る。予言は必ず実現されるが、その解釈の誤りが災害を招くことも多い——予言のパラドックス。
ティアマット(アッカド語 Tiamat、tiāmtum すなわち海より)は紀元前十二世紀頃に定まったバビロニアの創世の叙事詩『エヌマ・エリシュ(Enūma Eliš)』の七の粘土板に座を占めし最古の一の竜神格にて、塩の海を擬いた原初の混沌の母神である。同座の伴侶アプスー(Apsû、淡水)と共に宇宙の凡ての座に先立ちて在り、二の座の一対より一座の凡ての神が生まれた。然して後の世の神々が同座の平を破る騒ぎを起こすや、アプスーは彼らを滅さんと欲して却ってエア(Ea)に殺され、同座にて一度の大いなる怒りを起こせしティアマットは、新の伴侶キングー(Kingu)を一座の将と立て、十一の怪物の軍勢—ムシュフシュ(蛇竜)、ウシュムガル(大獅子竜)、バシュム(角ある蛇)、蠍人間、魚人、牛人—を率いて新たなる神々と一度の大戦を交えた。一座の終わりに嵐の神マルドゥク(Marduk)が同座にて彼女の身を二つに割き、一の半より天を、他の半より地を作り、彼女の二の眼より一座のチグリスとユーフラテスの二の大河が流れ出した。
バハムートは、二つの全く異なる伝承が同名で束ねられた珍しい神話人物である。第一層はゾカリーヤ・アルカズウィーニ(1203-1283)の十三世紀宇宙誌『創造物の驚異(ʿAjāʾib al-makhlūqāt)』とイブン・アルワルディの『不思議の真珠』に記される中世アラビア宇宙論の巨大魚で、牛クユーター(Kuyūthā)の上で世界の七層大地を支える存在として描かれる。ホルヘ・ルイス・ボルヘス(Jorge Luis Borges)が1957年にブエノスアイレスのマヌエル・ペーニャ社から刊行した『幻想動物の手帳(Manual de zoología fantástica)』、後の『幻想動物百科』が二十世紀の欧米にこの伝統を伝えた。第二層は1976年にゲイリー・ガイギャックスが『D&D Supplement III: Eldritch Wizardry』(TSR)で導入した白金竜バハムートで、AD&D『モンスターマニュアル』(1977)、『デイティーズ&デミゴッズ』(1980)、『ドラコノミコン』(1990)、第五版『モンスターマニュアル』(2014)と『Fizban's Treasury of Dragons』(2021)を経て定着した。D&Dのバハムートは正義・名誉・真実の竜神で、五体の金属竜(金・銀・銅・青銅・真鍮)の王、七体の古代金竜を親衛隊として伴い、人間の老賢者の姿で世界を歩み、五色邪悪竜の女王ティアマトと永遠に対立する。
アペプ(ギリシア語アポピス、Apophis)は古代エジプト宗教における闇・混沌・イセフェト(isfet、無秩序)を体現する宇宙的大蛇で、長さ約三十キュビット(約十六メートル)の砂色の鱗をまとう。毎夜、太陽神ラーが夜の太陽船メセケトに乗って冥界ドゥアトを航行する際に船を襲撃し、夜明けを阻もうとする。ラーと同盟神々 — 嵐神セト、獅子女神バステト、真理女神マアト、メヒト、セルケト — が毎夜激戦の末これを討つが、翌夜には甦り、永遠に繰り返される宇宙戦争を続ける。エジプト人が毎朝の日の出に神々の勝利を祝った理由がここにある。日蝕・月蝕・地震・雷雨・洪水はすべてアペプの一時的勝利と解された。最も体系的な記録は新王国時代『死者の書』第十七章・第三十九章・第百八章(パピルス、紀元前千五百五十-千七十七年頃)とラムセス六世王墓(KV9)天井浮彫である。アペプは、メソポタミアのティアマト、インド・アーリアのヴリトラ、北欧のヨルムンガンドル、ヘブライのレヴィアタンが連なる宇宙蛇神話系列の現存最古の典籍例である。
古代エジプトの儀式用首飾り
メナトは古代エジプトのハトホル女神崇拝と密接に結びついた儀式用装身具で、複数列のビーズ首飾りと背面の金属カウンターウェイトから成る。神官がメナトを振ると珠が触れ合い清らかな音を発し、ハトホル女神を喜ばせ豊穣と再生をもたらすと信じられた。
大きな円形鏡板を備えた中東の鎧
ミラー・アーマー(鏡の鎧)はペルシャのチャル・アイナ(char-aina、ペルシャ語で『四つの鏡』を意味する)より育った一具の複合の鎧であり、胸・背・両脇を覆う四枚の大きな鋼の板を鎖の鎧の上に紐と小さな蝶番で吊り下げて結んだ姿が最も大きな徴である。同じ板の面は鏡の如く滑らかに磨かれ、日中の沙漠の日を一点に集めて敵の眼を眩ませ、同じ光沢が同じ座の美と実戦を一対に結んだ。鎖の柔らかさをそのまま生かしつつ、一の弱き場—胸と背—のみに一面の固き板を重ねる編みは、一具の大きな板で身を丸ごと包む西洋の板鎧の道とは元より別の東方の道であり、一の守りと一の自由を共に生かすイスラムの軍装の思想の一の核を成す。一具の重さは鎖を含めて十二から十八キロに留まり、一所にて同代の西洋の板鎧より一層軽かった。
砂漠の騎兵を支えた駱駝用防具
ラクダの鎧は、中東、北アフリカ、インドの砂漠を駆けるラクダ騎兵の獣を覆うために作られた鎧であり、同じ時代の馬の鎧に較ぶれば小さく軽く、目の通る編みであるのが最大の徴である。革と毛氈、小さな鎖と小さな板を組み合わせ、胸と長き首、脇を覆う数枚の面に編まれ、二つの大きな瘤が上に聳えるラクダの背は自然と覆い得ぬ場として残し、その上に鞍と小さな櫓を載せる場とした。馬の鎧が一面を堅く包むことに意を置いたのに対し、ラクダの鎧は砂漠の熱き日と砂の中で獣の息の道を生かすことに大きな重みを置き、鎖と小さな板の間を風が通る目の通る編みが屡見られた。何より、ラクダの身そのものが一つの武であり、その特有の匂いが敵の馬を動揺させ列を崩すゆえ、ラクダの鎧はこの獣の武を最も長く生かす道具として座を占めた。