「両手剣」タグが付いたアイテム 3件
中世ヨーロッパの両手直剣
ロングソードは十三~十七世紀のヨーロッパでもっとも広く用いられた両手用の直剣である。刃の長さ約90~130cmに20~30cmの長い柄をもち、片手でも両手でも扱えるため『バスタードソード(庶子の剣)』『ハンドアンドアハーフ(片手半)』とも呼ばれる。まっすぐな両刃の刃と十字形のガード、重い柄頭が特徴で、重心を柄から約10cm前に置く柄頭の均衡のおかげで操作性に優れる。総重量は約1.1~1.8kgで、よく想像されるよりはるかに軽い。斬り・突きはもちろん、刃を握って突くハーフソード、柄頭で打ち下ろすモルトシュラークまで幅広い技を備えた万能の武器である。
ドイツのランツクネヒトの巨大両手剣
ツヴァイヘンダーは16世紀ドイツのランツクネヒト(傭兵)のうち、精鋭であるドッペルゾルトナー(二倍給兵)だけが扱った巨大な両手剣である。全長は約150~180cm、重さは約2~3.5kgで、普通の片手剣の二倍を超える大きさだ。最も特徴的なのは刀身の中ほどに付いたパリアハーケン(防御の鉤)で、刀身から突き出た一対の突起が敵の武器を受け止め、あるいは引っ掛けていなす。この鉤より上の刀身部分(リカッソ)は刃を立てておらず、革を巻くか素手で握れるため、剣を短く持って狭い間合いで槍のように扱う『ハーフソード』が可能だった。長く重いだけに、一振りで複数の槍の柄をまとめて打ち払う威力を出した。
スコットランドの両手大剣
クレイモアはスコットランド高地(ハイランド)の戦士の大型両手剣で、ゲール語の『クラジヴ・モール(claidheamh-mor、大きな剣)』から名が由来する。全長約130~150cm、重さ約2.2~2.8kgで、前方へ斜めに傾いたV字形のクロスガードと、その先のクォートレフォイル(四つ葉)形の装飾が最も目を引く視覚的特徴である。重量配分が広い弧を描く斬りに適し、両手で大きく振るって敵を薙ぎ斬るのに強い。十五~十七世紀のスコットランドのクラン(氏族)の戦士が用い、スコットランド武人の伝統を象徴する武器として広く知られる。