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Tree of Knowledge · エデンの園中央の禁断の樹
エデンの園の中央に生ふる二樹の聖樹の一にて、創世記二章九節に"善悪を知る樹"として初現はる。神は阿当に"此の樹の実のみ食ふ勿れ、食はば必ず死ぬべし"(創世記二章十七節)と命ぜしも、蛇の誘惑にて夏娃が先に食ひ阿当にも与へて二人共食ふ。其瞬間に目開きて己が裸を知り無花果葉にて恥を覆ふ(創世記三章一から七節)。林檎にて描かるる後世の図像は羅典語 malum が"悪"と"林檎"を兼ぬる同音より来る。
Bodhi Tree · 仏陀が悟りを開きし印度菩提樹
紀元前六世紀頃印度マガダ国のブッダガヤにて、シッダールタ・ガウタマが三十五歳に悟りを得し無花果属常緑樹。梵語 ボーディ(bodhi)は"覚"の意、学名 Ficus religiosa は"宗教の無花果"の意。現在ブッダガヤのマハーボーディ寺の傍の菩提樹は原樹の後裔にて、最古の孫枝が紀元前二八八年セイロンのアヌラーダプラにサンガミッタ尼の植ゑたるジャヤ・スリ・マハー・ボディなり。
Olive · ノアの鳩の枝, アテナの賜物, 平和の徴
地中海文明を支へし常緑広葉樹。創世記 八章十一節にてノアの方舟の鳩が「橄欖の若葉」を口に含みて帰り、洪水の止みしを告げし事より「平和の徴」と定まれり。希臘神話にてはアテナがアテーナイ市の後援を巡りてポセイドンと争ふ時、橄欖の樹を贈りて勝利せり(パウサニアス ギリシア案内 一巻二十四章五節)。主イエスが捕はるる前に祈りし地は「橄欖搾る所」を意味するゲツセマネ(馬太伝 二十六章三十六節)なり。
Laurel · ダフネの変身、アポロンの神聖樹
ニンフ・ダフネがアポロンの求愛から逃れて変身した樹。アポロンの神聖樹でデルポイ神託の媒介であり、ローマでは凱旋将軍の頭に被せる月桂冠の素材となった。栄光と予言と浄化の象徴として希臘ローマ世界全体を貫く。