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戦闘専用の斧
戦斧は戦闘のために専門的に設計された斧である。薪を割ったり木を伐ったりする日常用の斧と異なり、頭が軽く刃が広く薄いため、素早く振るいながらも深く斬り込む。刃の長さ約15~30cm、総長約60~120cmで、片手または両手で扱う。時代と地域ごとに固有の形があり、ヴァイキングの長い両手のデーン・アックス、フランク族の投擲用フランキスカ、スキタイの騎馬用サガリスなどが代表的である。斧刃の下側の角(ヒゲ)で敵の盾の上端を引っ掛けて下へ引き、防御を無力化する『フッキング』の技が特徴的で、剣より作るのが単純で安く、広く普及した。
ヴァイキングの両手戦斧
デーン・アックスは、9〜11世紀のヴァイキング時代の大型両手戦斧で、約120〜170cmの長い柄の先に三日月のように広く湾曲した刃を備えた強力な斬撃武器である。刃の幅は最大で約30cmに達するが厚みは薄く、頭部の重さは1〜2kgにすぎないため見た目より軽くて速く、剣に劣らぬ深い切れ味を生む。両手で大きく振るって盾を断ち割り、騎兵の馬の脚を断つのに用いられ、ヴァイキング戦士のなかでも最も勇猛な精鋭の象徴だった。1066年のヘイスティングズの戦いでは、イングランド王ハロルドのヒュスカール(親衛戦士)がこの斧でノルマン騎兵に立ち向かった様子が、バイユーのタペストリーに残されている。